先日の外来でのことです
先生が、こんな話をして下さいました。
「患者さんには、こういう方もいるんだよね。
「リパーゼ」は、正常値なんだけど、
「アミラーゼ」値だけが高い方。」
「えっ?その方も、膵炎患者さんですか?」
「そうだね。膵炎を繰り返して、膵臓が疲れてきちゃったのかなぁ
そうすると、膵臓からのアミラーゼ分泌が減ってね、
唾液腺が、頑張っちゃうんだよね。」
*********-------------**********
「アミラーゼ」
膵炎の患者さんでしたら、一度は聞いたことがありますでしょうか。
今日は、「アミラーゼ」の話を書きますね♪
膵炎を疑った時に、病院では大体「アミラーゼ、リパーゼ」の膵酵素値を測定しま
す。
(その際、膵炎が起こっていると、両者が高値となります。)
そして、定期の採血において、患者さんの中には、
「アミラーゼ」だけが上昇し、
「リパーゼ」が正常~下限値
の患者さんがいるそうです。
どうして、そんなことが起こるのか?
アミラーゼは、「膵臓」と「唾液腺」から分泌されています。
(働きは、消化を行う酵素の一種で、でんぷんなどの糖分を分解します。)
膵炎を繰り返すうちに、膵臓が疲れてきます。
すると、膵臓からのアミラーゼ分泌が少なくなり、
それを補おうと、唾液腺の働きが活発になります。
「ピンチ!」と感じ、
頑張りだした「唾液腺」ですが、
分泌量のコントロールは、うまく出来ないようで、
作用の強さが違うからか、血液中のアミラーゼ高低がつくようです。
(↑それで、「リパーゼ」は正常値で、「アミラーゼ」だけが高い。という現象が起こります。)
更に膵臓が疲れてくると、脂肪便がみられ(便器に油が浮いています)、
膵酵素剤の内服補充を行うこともあります。
この頃にはリパーゼ値も、更に低下し、
リパーゼを分泌する細胞自体がなくなってしまいます。
そして。
もっとも~っと、膵臓が疲れてしまうと、
「糖尿病発症」への近道となるようです。
オソロシヤ~。
まじめな「アミラーゼ」の話でした。
それでは、皆様おやすみなさいませ~。