遺伝性膵炎の日記-子どもの膵炎を知っていますか?-

2019年にyahooブログから引越しました。「遺伝性膵炎」カチオニックトリプシノーゲン(prss1)である娘mimi(看護学校1年生:18歳)の病気や生活の記録を綴っています。子どものすい臓疾患患者会「膵の会」の活動も9年目に入りました。連絡先:suikai@outlook.jp★コロナ以降はzoom懇親会・相談会を開催中★

カチオニック・トリプシノーゲンの話♪

先日、あゆさんと「遺伝子変異」の話になったので、
今日はこのお題で書きますね♪


「遺伝性膵炎」には、大きく2つのタイプがあります。


1つは、あゆさんが該当する
膵分泌性トリプシンインヒビター(PSTI)の遺伝子変異」によるもの


もうひとつは、
「カチオニック・トリプシノーゲン(PRSSI)の遺伝子変異」
mimiは、こちらのタイプです。



「トリプシン」は、皆さん聞いたことがあると思いますが、
これは、膵液に含まれる消化酵素のひとつです。
強力なたん白の分解酵素です。


次に、急性膵炎の起こる場面を想定しながら、
「トリプシン」の動きを説明します。


例えば、
・十二指腸液の逆流
・胆汁酸
・膵管閉塞
・膵炎
これらの要因に出会うと、「トリプシノーゲン」が活発に動き出します。
すると、
「トリプシノーゲン」が、「トリプシン」に変身をします。


ですが、この変身の量が問題でして。
変身「トリプシン」の量が多すぎると、
膵臓を溶かし(たん白の分解)、つまり膵炎が起こることになります。


通常は、この「変身」劇は起こらないはずですが、何らかの理由で起こってしまう。
その理由に、「カチオニック・トリプシノーゲン」が、上げられます。


これは、「トリプシン」に変身しやすいタイプの、「トリプシノーゲン」のようです。
それで、最初の名前に戻ります。
「カチオニック・トリプシノーゲン(PRSSI)の遺伝子変異」
原因が、そのまま名前になっているんですね。



<参考文献>
「小児科診療」第76巻・2