先日、あゆさんと「遺伝子変異」の話になったので、
今日はこのお題で書きますね♪
「遺伝性膵炎」には、大きく2つのタイプがあります。
1つは、あゆさんが該当する
「膵分泌性トリプシンインヒビター(PSTI)の遺伝子変異」によるもの
もうひとつは、
「カチオニック・トリプシノーゲン(PRSSI)の遺伝子変異」
↑mimiは、こちらのタイプです。
「トリプシン」は、皆さん聞いたことがあると思いますが、
これは、膵液に含まれる消化酵素のひとつです。
強力なたん白の分解酵素です。
次に、急性膵炎の起こる場面を想定しながら、
「トリプシン」の動きを説明します。
例えば、
・十二指腸液の逆流
・胆汁酸
・膵管閉塞
・膵炎
これらの要因に出会うと、「トリプシノーゲン」が活発に動き出します。
すると、
「トリプシノーゲン」が、「トリプシン」に変身をします。
ですが、この変身の量が問題でして。
変身「トリプシン」の量が多すぎると、
膵臓を溶かし(たん白の分解)、つまり膵炎が起こることになります。
通常は、この「変身」劇は起こらないはずですが、何らかの理由で起こってしまう。
その理由に、「カチオニック・トリプシノーゲン」が、上げられます。
これは、「トリプシン」に変身しやすいタイプの、「トリプシノーゲン」のようです。
それで、最初の名前に戻ります。
「カチオニック・トリプシノーゲン(PRSSI)の遺伝子変異」
↑原因が、そのまま名前になっているんですね。
<参考文献>
「小児科診療」第76巻・2号