今日も寒いですね!皆さん、お変わりございませんか?
さてさて
よくコメントを下さる、「North Foxさん」が、「膵炎」の記事を書いて下さいました。
とても分かり易い解説だったので、こちらに載せてもらえないか、お願いしてみましたよ♪
是非、読んで下さいね!
それでは、始まり始まり~
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きたきつねクンの膵炎講座①
「膵臓が痛くなる仕組みと治療について」
膵炎は、膵臓に炎症が生じてお腹が痛くなる病気です。何らかの原因で自分の膵液で自分の膵臓を溶かしてしまい炎症を起こします。だから治療は炎症を抑えるのが第一。膵炎を経験した人ならわかるけど、まずは絶食して安静にさせられます。あわせて蛋白分解酵素阻害薬(FOY、ミラクリッド、フサンなど)を点滴されます。いずれも膵臓の働きを抑えるための措置ですね。さらに細菌に感染して膿症にならないように抗生剤を点滴したり、胃液が十二指腸・膵臓を刺激して膵臓を余計に働かさないようH2ブロッカー(ガスター)を投与されることもあります。退院してからもフォイパン(経口蛋白分解酵素阻害)やガスターをもらって飲むのは、同じ目的ですね。と、ここまでは、たいていの膵炎の本やWEBに書いてあるので皆さんもご存じでしょう。ここからが本題です。
膵臓が炎症を起こす仕組みってよくわかっていません。でも私は次のように考えています。
① 膵管が詰まる。
膵炎の原因の一つとして胆石が膵胆菅につまってしまうことがいわれます。(膵菅と胆管の出口は一つなのです)すると、膵液が流れなくなり膵管内に大量にたまって拡張するとともに、周囲を刺激します。膵臓の組織内に膵液が漏れてしまうこともあるでしょう。そうして炎症を起こしたら膵炎ですね。胆石の替わりに膵石の場合もあります。だから、治療は膵液を流れやすくすること。膵石や胆石を超音波で砕いたり、バスケット小さくして掻き出したりします。ただ、これの治療をできる病院は全国的にも少ないので、消化器科の先生でも知らない方も多いようです。乳頭切開したり、膵管ステントを入れたりすることもありますね。外科的には膵管内の圧を下げる膵管空腸吻合術があげられます。
② 膵臓が炎症を起こす。
膵管が詰まってなくても膵臓が炎症を起こすことがあるようです。膵管のつまりがきっかけでも、膵臓や周囲に出血や壊死を起こしたような重症膵炎や自己免疫性膵炎もこれになるんでしょうね。PRSS1変異は膵臓のアクセルが入ったまま、勢い余って自己消化してしまうものらしいから同じでしょうね。
外科的には炎症を起こして壊死したところを切除することになります。部分のこともあれば全部のこともあるようです。最近研究が進められている膵頭移植は、膵臓のもつ内分泌機能を肝臓に移植して、痛みの原因となる膵自体は切除する方法みたいですね。
③ 原因不明(神経的なもの)
AMYもリパーゼも平常値で、CTで炎症や膵管拡張は確認できず、膵液の流れはステント留置をしているので正常のはずなのに、強い痛みが続くことがあります。精神安定剤を処方されたりしますね。また、強い痛みを止めるには腹腔神経叢ブロックを行うことがあります。それでもダメだったら・・・・。こうなると膵臓の専門医では対応しきれません。麻酔科医や精神科医との連携が必要になります。
私にとって「お腹が痛い=膵炎」ですが、お腹が痛くてもたいていは胃腸炎で、膵炎の人はほとんどいません。町の内科診療所だと、膵炎を申告してもなかなか信じてくれないほどです。消化器の専門を標榜している先生なら流石に膵炎は知っているので、最初の治療はしてくれますよ。これでほとんどは治ります。①以降は、特殊治療の範疇です。消化器の先生でも膵臓専門医でないとまったくご存じない方も多いと感じています。膵炎=膵臓の炎症だから、外科手術とは膵切除と思っているような先生に何人も出会いました。
なお、わかりやすく①②③と分けてみましたが、簡単に割り切れるものではなく、お互いが密接に絡んでいます。
※きたきつねクンはお医者様ではありません。自分自身の長い膵炎との付き合いと、こどもの膵炎を通じて得た“悟り”です。あくまでも参考に、自分の先生とよく相談してください。